おはようございます、
パイル二等兵です (本日で
3日連続の更新)
今回は、『
謎のファーストエイドキット・中編』の続きです
※アウトドアとはほとんど関係の無い内容ですので、興味のある方のみご覧下さい
包帯
制式名:2IN. COMPRESS
製造国:アメリカ合衆国(Medical Supply Co., 製)
製造年:不明
サイズ:6.3×5.2cm
パッケージの情報を和訳すると「
2インチの包帯」ですかね?
恐らく2インチ幅の包帯でしょう。
軍用ではなく、民間用だと思います。
テルファパッド付き圧縮包帯
制式名:2” BANDAGE COMPRESS WITH TELFA PAD
製造国:アメリカ合衆国(MARION Health and Safety, Inc. 製)
製造年:不明
サイズ:10×5.4cm
パッケージの情報を和訳すると「
2インチのテルファパッド付き圧縮包帯」ですかね?
(「2”」は2インチのことで合ってます?)
「
テルファパッド」とは、
止血の目的や液状薬物を患部に留めおくときに使用する綿花パッドのこと。
軍用ではないと思いますが、単純に市販品とも思えません・・・
「
MARION Health and Safety, Inc.」とは別に、
「
THE KENDALL CO.」の名も記されていますが、
KENDALL社は1940~50年代に軍用包帯を製造していたことがあります。
止血帯
制式名:不明
製造国:アメリカ合衆国
製造年:~1950年代?
サイズ:8.5×1.9×2.5cm
カラー:白
材質:コットン
ご覧の通り「
白い止血帯」です。
軍用品かどうかの判断は難しいですが、仮に軍用品だとすると、
止血帯が
白いので
1950年代以前の品と言うことになります。
ちなみに1960年代以降の止血帯は
OD(オリーブドラブ)色です。
ピンセット
制式名:FORCEPTS, DRESSING 3 1/2"
製造国:アメリカ合衆国
製造年:1962年12月
サイズ:13.2×7cm(袋) 8.7cm(本体)
パッケージの情報を和訳すると「
3.5インチの手当用鉗子」ですかね?
一般的に良く見かけるピンセットのことですね。
画像を見て分る通り、
もう一つ「FORCEPTS, SPLINTER, TWEEZER 3 1/2"」と言う制式名が書かれています。
これを和訳すると「
3.5インチの破片用鉗子ピンセット」ですかね?
制式名は二つですが、明らかにピンセットが一つ入っているだけです。
恐らく二つの用途をこれ一つで賄っているのでしょう・・・
医療用ハサミとテープ
長さ10.4cmの医療用ハサミと直径4.2cmの医療用テープです。
医療用ハサミは軍用品かどうかの判断はつきませんが、
ラバーコーティングされ完全に無菌状態を保っている様子。
なかなか珍しいパッキング方法なのではないでしょうか?
医療用テープは80年代以降の米軍用ファーストエイドボックスの中に入っている
「
TAIWAN TAPE」ですね。 そんなに古くない品だと推測できます。
体温計
制式名:THERMOMETER, CLINIC, HUMAN, ORAL OR RECTAL
製造国:アメリカ合衆国(KAYE THERMOMETER CORP. 製)
製造年:1962年7月(DSA 2-1591)
サイズ:11.5×1.2×1.2cm(外箱)、10.3cm(本体)
パッケージの情報を和訳すると「
口内もしくは直腸で測る、人間診察用体温計」ですかね?
ひと昔前まで一般的だった水銀式の体温計です。
この時代の軍用体温計が外箱までついた状態であるのは珍しい気がします。
ん~それにしても、このタイプの体温計を見ると
中学生の時にイカサマして熱があるように装い、
ズル休みした記憶が蘇ります
水銀溜まりを上にして、膝の上などでトントン叩くと
水銀が少しずつ降りてきて
37℃以上に出来るんですよね~
下手すると水銀が途切れてイカサマ丸出しになりますが
もっと良い方法としては、水銀溜まりを衣類等で擦り、摩擦熱で温度を上げると言うのがあります。
これは電子体温計でも使えるイカサマです。
※良い子も悪い子もマネしないで下さいね!!
ガスマスクバッグ
制式名:LIGHT Ⅱ.
製造国:大英帝国(W.G 製)
製造年:1943年8月
サイズ:14×11.5×22cm
カラー:カーキ
材質:コットン
英軍装備(並びに
ブリティッシュメイド)には疎いので詳しいことは分かりませんが、
WWⅡ時の
ライトウェイトガスマスクのSサイズ用バッグでしょう。
(3回に渡って紹介してきた医療品がこのバッグに収納されていました)
なぜか蓋に
海兵隊のパッチが縫い付けられています。
とある海兵隊の衛生兵が手頃な医療用バッグとして使用していたのでしょうか?
米海軍の戦艦ネバダに警備兵として乗船していた海兵隊員サムは、
ノルマンディ上陸作戦時に仲良くなった英軍兵士ジョン軍曹から
ガスマスクバッグを譲り受けた・・・
その後、サムは衛生兵の資格を得て朝鮮戦争に臨む・・・
当然、彼の肩には医療品の詰まった英軍ガスマスクバッグが下げられていた・・・
朝鮮戦争休戦後、サムは除隊・・・
その際、可愛がっていた後輩に医療品の詰まった英軍ガスマスクバッグを譲る・・・
そうして代々海兵隊で受け継がれてきた英軍ガスマスクバッグ・・・
現在では海兵隊野戦喫茶分隊の分隊長・パイル二等兵が所有している・・・
そんな想像を掻き立ててくれる、興味深いアイテムです
それでは今回はこのへんで
参考までに過去のファーストエイド関連記事です
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「衛生兵~!衛生兵~!」・・・ジャングルファーストエイド、LC-1・LC-2ファーストエイドの紹介
●
車載用救急箱(1950年代)の前編・・・50年代の車載ファーストエイドの紹介(前編)
●
車載用救急箱(1950年代)の後編・・・50年代の車載ファーストエイドの紹介(後編)
●
搭乗員用救急箱・・・航空機搭乗員用ファーストエイドの紹介
●
謎のファーストエイドキット・前編・・・40~60年代の救急箱の前編
●
謎のファーストエイドキット・中編・・・40~60年代の救急箱の中編