飛行士のファーストエイド・後編
こんばんは、
パイル二等兵です
前回『
飛行士のファーストエイド・中編』に続き、
今回も
ファーストエイド(以下:
FA)の中身についてご紹介致します
アビエイター用FAキット・後期型
【内容物一覧】 ※支給当時のままではなく、その後アレンジされていると思います
①カーライル型包帯・・・1個
②野戦用包帯・・・1個
③圧縮包帯・・・1個
④圧縮コットン・・・1個
⑤点眼兼点鼻薬・・・1個
⑥絆創膏・・・2枚
⑦医療用テープ・・・2巻
それでは各々詳しく見ていきたいと思います
①FIRST AID DRESSING
カーライル型救急包帯です。
カーライル型救急包帯は
カーライル兵舎にある
医療装備品研究所が開発したことから
この名が付いたのだと思います。
カーライル型救急包帯と言うと、本来は
WWⅡの
缶入り包帯の事を指すのですが、
これはその発展型の
紙箱とセロハンで包まれたタイプです。 ※カーライル型の定義は不明
製造は
HANDY PAD SUPPLY CO.社。
HANDY PAD SUPPLY CO.は
WWⅡ時に包帯を納入していた業者の一つです。
しかも現存しているもよう。
製造年の記載がないのですが、箱の色から判断すると
1950年代でしょうか?
②DRESSING, FIRST AID, FIELD, CAMOUFLAGED
4×7インチの野戦用包帯です。 (メートルに換算すると、×cm)
ぐるぐると巻く一般的な包帯ではなく、患部に当てる
パッドの付いた包帯です。
「
4×7インチ」はパッドのサイズと言うことになります。
パッドを留める生地は迷彩効果を高める為、
カーキもしくは
ODに染められています。
製造は
LILY WHITE SALES CO., INC.社。
LILY WHITE SALES CO., INC.は
ベトナム戦争時の包帯でやたらと見かける業者です。
製造年は
1964年頃(DSA 2-4390)。
③BANDAGE, GAUZE COMPRESSED, CAMOUFLAGED
3インチ×6ヤードの圧縮包帯です。 (メートルに換算すると、cm×m)
コチラはぐるぐると巻く一般的な包帯で、白ではなく
カーキ色をしていると思います。
製造は
LILY WHITE SALES CO., INC.社、製造年は
1972年頃(DSA 120-72)。
④Cotton, Purified, USP, 1 oz. Compressed
1オンスの圧縮コットンです。 (グラムに換算すると、g)
単なる
コットンの塊が入っているのでしょうか?
製造は
LILY WHITE SALES CO., INC.社、製造年は
1973年頃(除菌の日付)。
⑤EYE AND NOSE DROPS
点眼兼点鼻薬(14.8cc入)です。 目と鼻って同じ薬でいいのでしょうか?
紙箱の中には、
瓶入り薬剤(蒸発して中身なし)、
蓋付きスポイト、
説明書が入っています。
ストックナンバー(FSN)が書かれていますので、
軍用品ですね。 非常に珍しい品だと思います。
製造は
ALCON LABORATORIES, INC.社、製造年は
1962年11月。
ALCON LABORATORIES, INC.は
1945年に設立された眼科系医薬品メーカーで、
現存しています。
⑥MEDICAL TAPE
医療用テープです。 何の記載も無いので、詳細不明・・・
⑦BAND-AID
絆創膏(バンドエイド)です。
製造は
johnson & johnson社。
johnson & johnsonは
WWⅡ以降に医療品を納入していた業者の一つです。
そして皆さんご存知でしょうが、現存しております。
BAND-AID(バンドエイド)は
johnson & johnsonのブランド名ですね。
製造年は不明。
軍用の絆創膏でも市販品を流用していることがあるので、これが軍用品かどうかは不明。
以上、3回に渡ってご紹介しました「
飛行士のファーストエイド」ですが、いかがだったでしょうか?
いつも思うのですが、
医薬品マニアの方っていらっしゃいますか?
いるとは思うのですが、かなり少数でしょうね
「我こそは医薬品マニアなり!!」
と言う方は是非ご一報を 私と
友達になりましょう
あ、でも私の専門は
米軍医薬品と
戦前の日本の医薬品(軍民問わず)ですので!!
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