米軍ハバーサックの歴史

パイル二等兵

2012年09月15日 17:01

初回投稿:2012年9月15日
更新日時:2013年4月27日
更新内容:「ハーバーサック」を「ハバーサック」に変更



こんにちは、パイル二等兵です

以前『米軍背嚢(バックパック)の歴史』と言うデータベースを立ち上げましたが、
一つの記事で全て書き込むと膨大な量になることが判明しましたので、
それぞれカテゴリー毎に記事をアップし直すことに致しました。

今回は「HAVERSACK(ハバーサック)」編です

※「M19XX」は便宜上付けている場合があります。
※名称は制式名ではない場合があります。 
※解説や分類はネットで軽く調べた程度のものです。
※断定している文章でも、間違っている場合があります。(ご指摘お願いします)



【解説】ハバーサック
「HAVERSACK」はそもそも「Havercake」と言うオーツ麦製のパンを運搬するための雑嚢。
第二次世界大戦(以下「WWⅡ」)までは兵士個人が糧食や食器を携帯する目的で使用。

「HAVERSACK」には大きく分けて3つの形態がある。
①第一次世界大戦(以下「WWⅠ」)以前の雑嚢タイプ(M1885型)
②WWⅠ~WWⅡの背嚢タイプ(M1910型)
③WWⅡ~ベトナム戦争の海兵隊専用背嚢タイプ(M1941型)

日本語では「ハバーサック」「ハーバーサック」「ハバーザック」「ハーバーザック」等と表記される。
(※当ブログでは「ハバーサック」と表記)


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HAVERSACK (M1885type)

【解説】M1885型ハバーサック
革製のショルダーストラップを用いて肩掛けバッグ(雑嚢)として使用。
中期タイプ以降はベルトに吊り下げて使用することが出来る。
「US」や「USMC」、もしくは「州名」のスタンプが押されている。
上記に加え、「兵科」「所属大隊・中隊」「個人番号」のスタンプが押されていることが多い。
米西戦争、米比戦争、WWⅠで使用された。


M1885 HAVERSACK ※未入手
M1885ハバーサック、もしくはM1885ハバーサック初期型。
背面のストラップ連結用金具がDリング。
基本的にはカーキだが、白(生成り)のタイプも存在する。 歩兵用と騎兵用が存在するらしい。


M1904 HAVERSACK ←クリックすると詳細が開きます
M1904ハバーサック、もしくはM1885ハバーサック中期型。
背面のストラップ連結用金具がDリングからナスカンに変更。


M1908 HAVERSACK ←クリックすると詳細が開きます
M1908ハバーサック、もしくはM1885ハバーサック後期型。
一回り小さくなり、内部構造も改良された。


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HAVERSACK (M1910type)

【解説】M1910型ハバーサック
ベルトに連結し、バックパック(背嚢)のようにして使用。 単独では使用不可能。
基本的にはハバーサックとミートカンポーチ(食器入れ)の2点で構成されるが、
野営用のフル装備()を携帯する場合は
下部にブランケットキャリアを増設し、3点で構成される。
見た目は背嚢だが袋状ではなく、一枚の大きな生地で装備品を包む構造。
WWⅠ、WWⅡで使用された。


M1910 HAVERSACK (1st MILLS) ※未入手
M1910ハバーサック、もしくはM1910ハバーサック最初期型。
MILLS社製。 ミートカンポーチのボタンがイーグルスナップ。


M1910 HAVERSACK (1st) ※入手済
M1910ハバーサック、もしくはM1910ハバーサック初期型。
ロックアイランド兵器工廠製。 ミートカンポーチのボタンがボタンホール式。


M1910 HAVERSACK (2nd) ※入手済
M1910ハバーサック中期型。
ロックアイランド兵器工廠製で、1916年までに製造された物。
サスペンダーとフックの金具が改良され、ミートカンポーチが大型化した。


M1910 HAVERSACK (2nd Wartime) ※入手済
M1910ハバーサック後期型、もしくはM1910ハバーサック中期型・戦時バージョン。 
通称、M1917/M1918ハバーサック。
WWⅠ中(1917~1918年)に兵器工廠と民間会社によって作られた物。


M1910 HAVERSACK(2nd USMC) ※未入手
M1910ハバーサック・海兵隊バージョン。 別名、P1912ハバーサック。
表のUSマークが無く、ストラップ先端の金具が四角。


M1928 HAVERSACK ※入手済
M1928ハバーサック、もしくはM1928ハバーサック初期型。
背面のストラップが1本から2本に増加。
ミートカンポーチがストラップ式になり、内部にはユテンシルセット用の仕切りが設置された。


M1928 HAVERSACK(OD) ※未入手
M1928ハバーサック・ODバージョン、もしくはM1928ハバーサック後期型。
生地をOD色に染め直した物。 パックキャリアーには最初からOD生地で作られている物もある。


M1928 HAVERSACK(BRITISH MADE) ※未入手
M1928ハバーサック・ブリティッシュメイド。
ノルマンディー上陸作戦に備え、イギリスで製造された物。 
「BRITISH MADE」とスタンプがある。


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HAVERSACK (M1941type)

【解説】M1941型ハバーサック
海兵隊が独自に開発したバックパック(背嚢)。
小型のリュックで、M1910型と違い単独で使用可能。
下部にナップサックを連結し、容量を増やすことが出来る。
WWⅡ、朝鮮戦争、ベトナム戦争で使用された。


M1941 HAVERSACK(1st) ※未入手
M1941ハバーサック初期型。
フラップが一般的な蓋の形状をしている。


M1941 HAVERSACK(2nd) ※入手済
M1941ハバーサック中期型。
全体が筒状になっており、二つ折りにすることで閉じることが出来る。


M1941 HAVERSACK(3rd) ※入手済
M1941ハバーサック後期型、もしくはM1941ハバーサック中期型・ODバージョン
OD色の生地で作られている。 一部にカーキの生地が使われている物もある。

M1941 HAVERSACK (3rd Nylon) ※入手済
M1941ハバーサック後期型・ナイロンバージョン、もしくはM1941ハバーサック最後期型
OD色のナイロン生地で作られている。 一部にカーキの生地が使われている物もある。
ナイロン製CARGOPACKは存在しない可能性が高い。


今後それぞれ個別に紹介していきます


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