M1904 HAVERSACK

パイル二等兵

2012年09月22日 18:26

初回投稿:2012年9月15日
更新日時:2013年4月27日
更新内容:「ハーバーサック」を「ハバーサック」に変更


こんばんは、パイル二等兵です

今回は米軍の背嚢(ハバーサック)をご紹介致します

事前に言っておきますが「小汚いバッグ」です・・・
しかし私にとっては歴史を感じさせる「素晴らしいバッグ」です


M1904ハバーサック

     制式名:M1904HAVERSACK
     製造国:アメリカ合衆国
     製造年:1904~1908年 ※推定
     サイズ:33×33×10cm
     カラー:カーキ
     材質:コットン

1904年頃に米軍制式採用となったハバーサックです。
1908年頃に改良型が採用されるので、製造はその頃まで行われていたと推測できます。

1885年頃に米軍制式採用となったM1885ハバーサックの後継とも考えられるので、
M1885ハバーサック・中期型」(「M1885HAVERSACK・2nd」)
と呼んでも良いかもしれません。

HAVERSACK」とは、「Havercake」と言うオーツ麦製のパンを運搬するための雑嚢で、
米軍では南北戦争(1861~1865年)の頃から
兵士が糧食や食器を携帯する目的で使用されました。

制式採用された1904年頃の戦争と言えばフィリピンとの間で起きた
米比戦争(1899~1913年)ですが、この戦争で標準装備されていたかどうかは不明です。

第一次世界大戦(1914~1918年)では州兵を中心に一部の部隊(恐らく後方部隊)で
旧装備ながら使用されていたようです。
(この時代は新装備であるM1910ハバーサックが標準装備)

第一次世界大戦以降はハバーサックに「USマーク」のみを
スタンプ(ステンシル)するのが一般的ですが、
米比戦争の頃までは「USマーク(or州名)」に加え、
「兵科」「大隊」「中隊」「個人番号」もスタンプするのが一般的だったようです。

当方所有の物のスタンプ文字を解読すると、
「USマーク」⇒アメリカ陸軍
「交差したライフル」⇒歩兵
「1」⇒第1大隊
「M」⇒M中隊
「31」⇒兵士番号(or備品番号)31番

まとめますと、
アメリカ陸軍第1歩兵大隊M中隊所属の31番の兵士のバッグ」と言うことになります。
(「31」を備品番号だとすると、「中隊所有の31番目のバッグ」)





一般的な蓋付きの雑嚢です。 蓋はハトメ付のベルトで閉じる構造となっています。

背面には2か所ナスカンが付いており、
マガジンベルトピストルベルトに連結(腰から下げる形)することが出来ます。
ショルダーストラップを使用すれば、単独でショルダーバッグとして使用可能)
※画像のピストルベルトとショルダーストラップはM1904ハバーサックとは時代が合ってません



メイン収納部の内側には両端に細長いポケットが付いています。 (何用なのかは不明)
蓋にはサブ的に収納部があり、こちらにも両端に細長いポケットが付いています。
蓋の収納部は、蓋を開閉した際に中の物が落ちないよう革紐で閉じることが出来ます。

勝手な憶測ですが、
メイン収納部に支給された糧食(パンやベーコン等)を入れ、
サブ収納部にメスキットパン(食器兼フライパン)とユテンシルセット(フォーク等)を
入れたのではないでしょうか?
※画像のメスキットパンとユテンシルセットはM1904ハーバーサックと時代が合っていません

この時代の糧食は簡易包装の為、多くのハバーサックに酷い汚れやシミが付いています。
私が所有している物もご多分に漏れず小汚いです・・・
ただ日本国内では入手が難しく、これでもマシなのかもしれません。

ちなみにアメリカ本国では比較的安く出回っているので、
海外オークションを利用すれば状態の良い物が安値で入手出来るかもしれません。
(英語が苦手な私には無理な方法ですが・・・)


それでは今回はこのへんで


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